この晴れ渡る青空の下で
「はいはい」



私は思わず苦笑いで、反対側に移動した。

イスに腰掛けて大地の方を見たら、ニコニコしながら右手を差し出してきた。



ん?

私が小首を傾げると。



「ちょっと手出して」



ん? なんだろう?

不思議に思いながらも右手を近付けると、大地の右手が静かにそれに触れ、その手触りを確かめるかのように動いた後、その動きを確認していた大地の瞳が私を見た。



「やっと感覚のある右手で、希未に触れられた」



えっ?

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