この晴れ渡る青空の下で
大地は満面の笑みで言った。



「ずっと利き手の右手で、希未に触れたかったんだ」

「大地……」



大地の素直な言葉に、私は嬉しくなってその手を軽く握り返した。

そして思った。



大地は、自分の心に正直なんだね。

私と居る時はいつでも笑顔。

時々『今日の食事はマズかった』とか小さな事で不機嫌になったり、淋しい笑顔をするけど……それも一時的なもの。

大地が気を遣って明るくしてるのかなぁ……なんて思ったりもしてたけど、違うんだよね。



自分に素直なだけ。

そんな大地には、誰にでも何事にも、そうであって欲しい。

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