この晴れ渡る青空の下で
「ケガをして入院して前のように動けるか不安で……。

 その上、高卒でプロになった人より年令的には出遅れていて、同世代で既に結果を出してる人もいるんでしょ?」



視線は相変わらずソッポ向いたままだったけど、握っていた大地の右手の親指だけが、静かに何か話したげに私の右手を撫でるように左右に動く。



「でも、プロの選手をいつも見てる岡村さんが『あいつには素質がある』って惚れ込んでるんでしょ?

 そして、大地もそれに『応えよう』って思ったんでしょ?

 一度決心した事を、治るって言われてるケガのせいにして逃げちゃダメだよ」
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