この晴れ渡る青空の下で
大地がゆっくりと、こちらを向いた。

「希未……」

大地がそう言った切り、下唇をキュッと噛んで、言葉を止めた。



「ねぇ、大地はなんでサッカー選手になろうと思ったの?」

子供を諭すような口調で、柔らかく問い掛ける。

大地は黙ったままだったけど、直接大地の声で聞きたくて返事を待った。



そして……。



しばらくの沈黙の後、さっきまで動いてた右手の親指が止まる。



「夢だったんだ、子供の頃からの」

大地の力強い瞳が、私を捕らえた。

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