この晴れ渡る青空の下で
「伊達に4つも年上じゃありませんから」

初めて大地が私の事を『おまえ』って言ったのに、不覚にも『ドキッ』としてしまい、それがばれない様に、そう言って誤魔化した。



けど。



「またまた、無理しちゃって。年上ぶったって、今、俺に『ドキッ』としただろ?」



うっ、なんで分かるんだ?

でも、さらに誤魔化す。



「大体ね、好きな事で見込んでくれる人がいる、って言うのは、有難い事なんだよ」

「うん」



大地は優しい微笑みをして、頭の上にあった左手を私の背中に移動させ、静かに少しずつ私を抱き寄せる。

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