この晴れ渡る青空の下で
「どうせ驚かせるんだったら、目を覚ます、とか良い方でお願いしたいなぁ」



近くの棚にバッグを置こうとして、昨日大地の所から持って来たままになっていた花瓶に気が付いた。



「あっ。大地の所に返さなきゃ」

そう言えば、お兄ちゃんに大地との事、報告してなかったなぁ。



そう思い出し、報告しようかとお兄ちゃんの方を見て、一瞬目を疑った。

思わず目を擦ってみる。



「……きぃ……目、悪くなるから、擦るな」



お兄ちゃんの黒い瞳が私をしっかり捕らえて、いつもの穏やかな口調で言った。

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