この晴れ渡る青空の下で
「ほら、もう帰るから、出て来なさい」

誤魔化す為もあって、そう言ったんだけど。



「ヤダ、もう少し遊んでくっ」

愛子は駄々をこね始まった。



もう。

「病院は遊ぶ所じゃないし、ここに居たら迷惑かかるでしょ?」

私がそう言ってベッドの下から出て来ない愛子の手を、グッと引っ張ると。



「あ、いいよ、俺だったら。逆に退屈だったから、居てもらった方がいいかな?」

この部屋の住人が許可を出しちゃったもんだから、愛子は勝ち誇ったような笑顔で出て来て、近くにあった椅子に、ちょこん、と座った。



ふぅ〜。

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