この晴れ渡る青空の下で
お兄ちゃんが目覚めた嬉しさがジワジワと湧き上がり、この喜びを伝えたくて、足早に大地の所へ行った。



「大地っ! 大地っ!」

私はノックするのも忘れて、大地の病室のドアを開けて中に入った。



「うわっ、ビックリしたぁ」

大地はベッドの上で、握力を鍛える器具を右手で握って固まってた。



「あのね、あのね」

花瓶を元の場所に戻してから話そうとして、大地を見てハッとする。



大地は慌てて右手に持ってた物を隠した。

「いや、これは、ちょっと試しにやってみただけで、まだ本格的にはしてないから」

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