この晴れ渡る青空の下で
「お父さんっ」

愛子は最初、病室に恐る恐る入って行ったけど、お兄ちゃんがベッドの上で起き上がって新聞を読んでるのを見ると、満面の笑みで駆けて行く。



「愛子、ごめんな? 心配掛けて」

お兄ちゃんは愛子の頭を優しく撫でる。



「途中で医師に会って聞いたけど、傷自体は寝込んでる間でほとんど回復してるから、脳波検査で以上がなければ、一週間位で退院していいんだって?」

リュックを取ろうともがいている愛子に手を貸しながら、お兄ちゃんの方を見ると、お兄ちゃんは笑顔で頷いた。

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