この晴れ渡る青空の下で
はぁ……問題は、これから。



幸い愛子は母親の顔を知らないので、翔子の事はあれこれ訊かれなかったけど、お兄ちゃんには話さないとダメだし……。

それとは別に、大地も『挨拶したい』って言ってたし……。

どれからどう処理していいものか。



「きぃ、どうした? なんか顔色悪いぞ?」



えっ? ヤダ。



「なんでもない、大丈夫。ごめん、ちょっと愛子の話し聞いてあげて。昨日から楽しみにしてたから」

お兄ちゃんに心配掛けたくなくて、私は笑顔でそう言って、軽く手を振り部屋を出た。



ふぅ。

入院患者に心配されてどうするんだ。

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