この晴れ渡る青空の下で
「宮本さん? 宮本さん、どうしました?」

医師と看護師の佐藤さんの姿だった。



「息が……胸、苦しい……手が痺れて……」

もうダメっ、これ以上、しゃべれない。苦しくて死んじゃいそう。



「そんなに急いで呼吸しないで、ゆっくり息してごらん。誰かタオルか紙袋持って来て」

こっちは『死にそう』って言う位苦しいのに、医師の声は凄く冷静だった。



そして誰かが持って来たタオルを私の口に当てた。

「過呼吸の症状だから、苦しいからって呼吸をし過ぎると、かえって酷くなる。大丈夫だから、落ち着いてゆっくり息してごらん?」

< 80 / 203 >

この作品をシェア

pagetop