この晴れ渡る青空の下で
言われた通りに息苦しいのを我慢してゆっくり呼吸をしていると、しばらくして手の感覚が戻って来て、少しずつ胸の苦しみが取れて来る。



「どう? 大分楽になった?」

「はい。ありがとうございます」



やっと答える事が出来ると、医師は笑顔でこちらを見てから、佐藤さんに何かを指示し、去って行った。



「一応、こっちでちょっと横になって、点滴打ちましょうね」

えっ?

「あっ、でも、今」

「日高くんの所には、後で言っておくから大丈夫。お兄さんの所には、今、愛子ちゃんいるみたいだから、様子見て言っておくから心配しないで。そう言う心配も体に負担を掛けてよくないんだからね」



そう言って佐藤さんは私を処置室に案内した。

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