この晴れ渡る青空の下で
「俺が最初に迎えに行った時、拒んだのは翔子だ。『出て行く』って自分で覚悟決めたんだったら、『戻りたい』って言うのも自分で決めなきゃ、また同じ事の繰り返しだ」



あれっ?



「ましてやあの頃と違って、愛子はもう物心ついてるんだ。それなりの自覚を持っててもらわないと困る」



今までの言葉で分かった。



「お兄ちゃん、翔子の事、許してるんだ。『戻りたい』って言ったら、受け入れるつもりなんでしょ?」

お兄ちゃんは肯定も否定もしないけど、見せた笑顔が全てを語ってるようだった。



「どうしてなの? 何もそこまで翔子の言う事、なんでもかんでも聞かなくていいんじゃない?」

「きぃ……最初に翔子を不安にさせた原因は俺にもある。それに『一生こいつと生きて行く』って決めたから結婚したんだ。その気持ちは今でも変わらない」

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