この晴れ渡る青空の下で
「お世辞言っても、何も出ませんよぉ」

私は照れ隠しで、そう言って舌を出す。



すると、大地も肩をすくめて見せた。

「なんだ、何もないんだ」



お互い顔を見合わせて笑う。



でも、すぐ大地は表情を変えた。



「で、希未、これからどうするんだ?」

「えっ? どう、って?」

「だって、愛子ちゃんの為に仕事辞めたんだろ? 母親が戻って来たらどうするんだ?」



ああ、その事。

でも。

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