ダイヤモンド・ヒーロー
あたしは、目を奪われる。
「咲良ちゃん!」
遠くから、大さんに呼ばれた。
「わりー。 今、湊人は先生に呼ばれて校舎の方に行ったみたいだ」
…… そうなんだ。
せっかく湊人に、会えると思ったのに。
ちょっと残念だな。
湊人も…… こうやって練習しているのかな?
いつも……。
バットを振って……。
ボールを投げて……。
マウンドを走っている?
「咲良ちゃん、どうする? 校舎に探しに行く?」
いつの間にか、大さんが隣に立っていた。
「たぶん、担任のとこか顧問だと思うんだ……。
行くなら、案内するけど?」
今、あたしが湊人を探せば会えるけど……。
「ここで、練習を見ます」