ダイヤモンド・ヒーロー
「早く帰る準備しろよー」
監督の声が響いた。
興奮が冷めない中、荷物を持って球場を出る。
バスに乗り込み、学校へ向かう。
「今日もご苦労だったっっ!」
バスがゆっくり動きはじめたら、監督が中央に立ち上がった。
「今日までの試合、お前たち本当によく頑張っているっ」
一人一人のミスだって少ないし。
誰かのミスは、チーム内でしっかりカバーしている。
不安そうだったヤツラの顔が、今はイキイキとしている。
「得に、相原っっ」
「――― はいっっ?」
――― なんだ、一体?
監督は今、何の話しをしていた?
やっべー、ボーッとしていたから話し、聞いてなかったし。