ダイヤモンド・ヒーロー
あと2回……。 あと2回、俺が投げれば この試合が終わる。
俺達の勝利が決まるんだ。
「ハァ ハァ ハァ……」
ったく、あちーな。
くそっ、暑い太陽が容赦無く照り付ける。
バッターが土を蹴って、バットを握り直した。
――― 次は、打ちに来るな。
さっきとは雰囲気が違う。
1回目は俺の投球を見たって事か。
2回目からは本気で狙って来るな。
「――― ッッ」
打ちに来るなら、打ってみろよっ。
ぜってー、打たせねーよ。
俺が…… コイツを塁にはださねー。
胸の前にボールを構えて、腕を引いてボールを投げた―――。
平行にボールが軌道を描く。
――― パシンッッ!
「ストラーイクッッ」
キャッチャーミットにボールが収まった。