ダイヤモンド・ヒーロー
「いいんじゃない。 咲良らしくて」
「そう…… かな?」
「そうだよっ! 咲良って、裁縫は苦手だけど料理の腕は確かだよ」
裁縫が苦手ってのは、認める。
中学生の時だって、裁縫は湊人によく手伝ってもらっていた。
「野球を主として、やるの?」
「どうしようかな……。 まだ、わからない」
湊人に影響されて、野球は好き―――。
だけど、野球以外のスポーツに目を向けてみたい。
「まあ、そこは大学に入ってから考えればいいか。
今は、勉強だよっ!」
目標が見えた今。 あたしがやるべきことは、目の前にある。
ひたすら問題集に向かうしかない。