ダイヤモンド・ヒーロー
届いたメッセージ
「咲良ー。 …… はい」
塾から帰ってきたら、お母さんに“手紙”を渡された。
「また、今年も“咲良の誕生日”に無名の手紙が届いたね」
「…… そうだね」
“美山 咲良様”
キレイな字で、あたしの名前が書かれている。
どれだけ忘れようと思っても、これだけは……。 この字だけは、忘れられなかった。
「早く荷物置いてきなさい」
「うん、わかった」
どうしてこんな優しいことをするのか、あたしにはさっぱりわからない。
もう、関係無いはずなのに―――。
嫌われているはずなのに―――。