ダイヤモンド・ヒーロー
七回オモテ 【湊人】
決選当日
ついに……。 ついに、やってきた。
この日のために、俺たち3年は、マウンドの上で泣き、笑いあってきた。
今日を“笑い”で迎えるために―――。
空は晴天。 野球日和。
応援席は、満員。
「――― 湊人」
「大、か」
「今年も、来たな」
「あぁ」
去年立たせてもらったマウンドを、ベンチから眺める。
横に立つ大は、去年はマウンドには代打として立った。
「行くんだろ? …… 甲子園」
どこかで聞いたことあるようなセリフだな。
でも、甲子園に行くことは事実であってほしい。
それに、咲良と約束したんだから……。
「当たり前だ」