ダイヤモンド・ヒーロー
最後の最後まで、気を抜けない。
「俺は、まだ“みんなで野球をやりたい―――”」
俺の肩を掴む大の手に力が入った。
「“甲子園”にかける思いは人それぞれだ。
家族のために―――。
ダチのために―――。
誰か―――」
チラリ、俺に視線を移してきた―――、と思っていたら。
大の口角が少し上がった。
「誰か、大切な人との“約束”を守るために―――」
“約束”
俺の夢でもある“甲子園”
そして、それは。
咲良の夢でもある“甲子園”
「みんなの思いを無駄にしないよう、最後まで気を抜かないよう――― キャプテンの湊人から一言」