ダイヤモンド・ヒーロー
でもな、一番言いたいことは……。
「湊人って…… 今でも咲良ちゃん。 好きだよな?」
「あたりめーだっ」
大がバットとヘルメットを持って、ベンチを出ていった。
少し振り向いて、俺に微笑み掛けた。
「ちゃんと見てろよ? 俺が少しだけ手伝ってやるから」
なんつー自信だよ。
今だ、両校とも 0-0 で試合が進んでいく。
何としても、早く1点を取りたいのはどちらも同じ思い。
「大っ」
俺は大の名を呼んだ。
不思議そうな顔をして振り向いた大に、俺はたった一言。
「楽しんでこい―――」
「…… リョーカイッ」