ダイヤモンド・ヒーロー
電話
でも…… どうしたの?
様子がおかしい。
見た目は至って普通。 普通…… だけど。
表情が、固い。
最初は“慣れないだけ…… ?”なんて、思ったけど。
ボールを投げても、すぐに打たれる。
湊人がこんなに簡単に、打たれるはずが無い。
湊人のボールはどう考えたって、交代する前のピッチャーより早いはずなのに……。
カキーン―――。
次々とボールが飛んでいく。
でも、湊人たちの守備のおかけでいまだに点数は変わらない。
あたしはテレビの前で、手を強く握り締めた。
「頑張れ―――」
今、あたしに出来ること。 それは、テレビの前で応援することしか無いんだ。
「湊人―――」