ダイヤモンド・ヒーロー
だと、嬉しいな……。
「だから、ね…… 咲良? こっち、おいで」
「…… うん」
会いたい。 会いたい―――。
湊人に会いたい。
たとえ、湊人と会えなくても、湊人の野球している姿を見たい。
「それでこそ“咲良”
今から家を出たらギリギリ最終回には間に合うんじゃない? 早く来てよっ」
プツンッと電話が切れた。
「お母さん、試合見に行って来る!」
もう、迷わない。
あたしは、湊人に会いに行く―――。
ケータイと財布を持って、外に出た。
青い空と、照り付ける太陽。
なんだか…… 湊人の“甲子園”を予告しているような天気だ。