ダイヤモンド・ヒーロー
八回オモテ【湊人】
登板
「相原、肩。 温めておけよ」
「はいっ」
試合も中盤に差し掛かった。
両校とも、点数が動かない。
交代のアナウンスが流れ、俺の名前が呼ばれた。
伏見学園もエースの三嶋を出してきた。
そろそろ向こうも本気になってきたって証拠だ。
「湊人、行くぞっ」
「あぁ―――」
大に肩を叩かれ、ダイヤモンドに近づく。
青い空の下。 ダイヤモンドの上に立った。
「よしっ、やるか―――」
ボールを構え、大が構えるミットに向かってボールを投げる。
俺の、最後の試合が始まった。