ダイヤモンド・ヒーロー
「――― ハァ ハァ」
息が上がる。 ダメだ。
足が震えてうまく投げることが出来ない。
さっきから何人にも打たれてしまう……。
今までこんなこと無かった。
打たれたとしても…… 最初の一人は必ず三振をとっていたのに。
なのに、今日は。
カキーン―――。
一人目…… しかも、一球目から打たれてしまった。
「ハァ ハァ―――」
ったく、なに緊張してんだよっ。
最後の試合なのに。 負けたらこれで終わりなのに。
「頑張れよ…… 俺」
今は自分自身との戦いだ。
こんな所で、負けてたまるかよっっ!