ダイヤモンド・ヒーロー
「湊人、大丈夫か?」
「大丈夫だし……」
いやっ、全然大丈夫じゃないこの状況。
俺の投げた球が打たれても、他のヤツが取ってアウトにしてくれたお陰で、今はなんとか0点のまま抑えている。
「嘘つくなよっ、バーカッ」
ハハッ、大には全てお見通しみたいだった。
大は3年間、俺の球を受け続けてきた。
そのせいか、俺の小さな変化を感じるらしい。
「緊張すんなって。 湊人だろ? “楽しもう”って言ったのは……。 言った本人が楽しまないでどーすんだ。
…… ほら、回りを見て見ろよ」
大から視線をずらし、球場を…… グルリ。 見渡してみた。
「―――」
最後は大に視線を移す。