ダイヤモンド・ヒーロー
九回オモテ【湊人】
コイツの為に
9回裏。 ツーアウトで、試合は進んだ。
大がタイムを取ってから、俺はいつも通りに試合を進めることができた。
そして、やってきた。
三嶋がバッターボックスに立った―――。
今は 0-0 で、俺がこのままアウトを取ったら延長戦になる。
なんだか…… 去年と同じ状況だな。 全く。
でも、どうしてだろうか?
全く負ける気がしない。
"なんつー自信だよ" とか思うが、でも…… そうなんだよ。 全く負ける気がしない。
足で地面を蹴る。
ふと、顔を上げると…… バッターボックスに立った三嶋と目があった。
「―――」
俺は三嶋に微笑みかけた。