ダイヤモンド・ヒーロー
なんとなく……。 湊人とは“ここ”にいたら、会えそうな気がした。
少し遠くでは、朝日学園の野球部がバスに乗り込んでいく姿が確認できる。
あたしは、そんな様子が見えるけど…… 少し離れた、木の下に立っている。
たくさんの声援を浴びて、バスに乗り込む部員たちは、みんな…… 輝いている。
そんな姿を見ると、自然と笑みが浮かぶ。
――― カツッ カツッ カツッ。
後ろから聞こえる足跡。
誰かがあたしに近づいてくる気配を感じ、振り向こうとした―――。
「咲良―――」
「――― ッッ」
そこには、懐かしい人物が立っていた―――。