ダイヤモンド・ヒーロー
それは当たり前。
マウンドがダイヤモンドにはいつでも見ることはできる。
でも、ダイヤモンドが輝いているのは…… 湊人がマウンドの立った時、限定。
だから、いつ湊人が観客席を見に行っても意味がない。
だって…… 光り輝く“ダイヤモンド”の一部が湊人なんだもん。
湊人と目を合わせるのが恥ずかしくて、少し視線をずらしていたら…… 湊人から、視線を感じた。
「――― ん? どうしたの」
「今日は、来ていたんだな……」
びくっ! 体に力が入った。
湊人が何について言っているのかわかるから……。 湊人のこの先の言葉が想像できるから……。
緊張を隠すように、スカートの裾を強く、握りしめた―――。