ダイヤモンド・ヒーロー
ゲームセット
青い空と、君と
「――― あぁ、終わりか」
ホワイトボードの前。 教授がチャイムに気づき、ペンを置いた。
俺は4コマ目の“スポーツ科学”の授業を終えた。
ノートを閉じ、カバンに閉まった。
「湊人っ、練習行くだろ?」
「あぁ、行くわ。 ちょっと図書館寄ってから行くから」
「あーあ、彼女が出来たら湊人は俺と練習に行ってくれねーんだな」
「あとでちゃんと行くから―――」
大に多少からかわれながらも、俺は教室を出て図書館に向かう。
春から俺は朝日大学の1年生になった。
もちろん部活は野球を続けている。
あの夏の甲子園は、2回戦で敗退……。 こんな結果に終わったが、悔いは無い。