ダイヤモンド・ヒーロー
一回ウラ 【咲良】
両想い
夏休みの最終日。
あたしはいつものように、野球部の練習を教室から見学。 そして、相原くんが迎えに来て、一緒に帰る。
「美山ー」
「あっ、相原くん! お疲れ様」
「はぁー、つっかれたー」
そう言って、あたしの隣に腰掛けた。
明日から学校なのに……、野球部は今日も練習。
どうやら、相原くんたち野球部は秋に行われる“新人戦”優勝を狙っているみたい。
相原くんは……。 あたしがこうやって毎回野球部の練習を見に来ている理由は分からないはず。
最初はただ…… 相原くんが言ってくれたように“マウンドって、ダイヤモンドに見えないか?”
これを確かめたかっただけ。
でも、毎回毎回野球部の練習を見ていると……。 自然と相原くんに目がいってしまう。