ダイヤモンド・ヒーロー
敗退のキオク
2年生にしてベンチに入った。
上手いヤツが試合に出るのは当たり前だが。
まさか……。
俺が予選大会の決勝で、ベンチ入り出来るなんて思ってもいなかった。
「朝日学園ー!」
――― ガンガンッ! ――― ドンドン!
太鼓やメガホン。 応援席からの応援が飛び交う。
“俺も投げたい―――”
そう思うが、やっぱりここは決勝戦。
甲子園出場のキップを賭けた戦いに、ヒヨッコの俺が出してもらえるはずもなく。
ベンチでひたすら応援。
アウトになれば、先輩と項垂(ウナダ)れ。
ヒットになれば、先輩と喜び合う。
「相原……」
「――― キャプテン?」
今は7回表。 1-1でまだ試合はどうなるか分からない状況。
そんな中、キャプテンが俺に声を掛けてきた。