ダイヤモンド・ヒーロー




「ちょっとこっちに来いっ」


ベンチの端に呼ばれた。


「なあ、湊人……。 今日の試合で投げてみないか?」


「――― !!!」


それは、思ってもいなかったチャンスが俺に舞い降りてきた。


まさか……。 俺がこの一戦で試合に出してもらえるなんて思っていなかった。


こんな興奮する試合。 誰だって試合に出たいと思う。


俺だって…… その一人だ。



「どうだ……。 やってみないか」


もし……。
俺がこの試合で投げて、甲子園に出場できたら……。


咲良との“約束”を守ったことになる。



「キャンプ……。 投げさせて下さい」


一日でも早く……。 咲良との約束を守りたかったんだ―――。




< 48 / 200 >

この作品をシェア

pagetop