ダイヤモンド・ヒーロー
ふわり、とキャンプが笑った。
「頑張れよっ」
トンッ――― と肩を叩かれた。
やるからには…… 絶対に結果を残したい。
先輩たちがここまで作り上げてきたこの試合。
俺が登板したことで、その成果を崩したりはさせない―――。
「相原ッッ」
監督が俺を呼ぶ。
「肩、温めておけよ」
「――― ッッ。 はいッッ」
負けない……。
――― 負けたくない。
これは、野球の神様が与えてくれたチャンス。
このチャンスをムダにはしない―――。
いつに無く感じる緊張に気づきながらも……。
俺はマウンドに立つ先輩たちを応援する。