ダイヤモンド・ヒーロー
ドクッ ドクッ ドクッ―――。
なんだ……。 この感じ……。
今までマウンドに立つのに緊張なんてしたことなんて無いのに……。
「ピッチャー……」
交代を知らせるアナウンスが場内に響いた。
俺は小走りでマウンドに立つ。
ドクッ ドクッ ドクッ―――。
ヤベー、足まで震え始めた。
目を閉じて、大きく息を吸い込む。
『朝日学園ー』
『相原ー』
――― ドンドンッッ!
声援や太鼓の音が響き渡っている。
――― 大丈夫だ。 俺なら出来る。
「――― よしっ」
俺が今やること……。
目の前のバッターを倒すんだ―――。
構えたボールを投げ放った。