ダイヤモンド・ヒーロー
負けたくないヤツ
ポケットに付けた音楽プレイヤーを再生し、春の寒さを残す夜へと駆け出す。
軽快なリズムにのせて、俺は走る。
誰もいない敷地の周りを走ると、今日の練習試合を思い出す。
1ー3 で朝日学園の勝利を決める事が出来た。
だか、全体からみれば“勝利”という形に終わって良いように見えるが……。
実際、プレー中の守備はどうだ?
俺自信そうだったが、一人一人の細かいミスがあった。
“完璧”なんて。
出来るはずが無い。
誰かがミスをしたら、すぐに他のヤツがカバーする。
これが強いチームだと思う。
ハァ ハァ ハァ―――。
寮の周りを何周かして戻ってきた。