ダイヤモンド・ヒーロー
寂しくない―――。 そう思っていたはずなのに……。 どうしてかな?
別れを切り出したのはあたしからなのに。
「咲良ー、先生との面談終わったー?」
「終わったよ!」
静かな廊下を歩いていたら後ろから春香に呼ばれた。
生徒会の仕事のせいか、両手に沢山の資料を抱えている。
「何か言われた?」
「小言を少し言われたくらい。 でも…… しっかり言ったよ。
“朝日大学へ行きたい―――”ってね」
あたしはしっかり伝えた。
朝日大学へ進学したからって、これをやりたい。
そんな具体的な目標は無い。
でも……。
あたしの心の中で、どこか。
湊人に会えるかも―――。
こんな思いがある。