ダイヤモンド・ヒーロー
“一人では試合に勝てない―――”
“甲子園”には誰だって色々な思いがある。
そんな夢を、一度もマウンドの上に上がらずに終わらすなんて―――。
「監督……。 どうにかなりませんか?」
「しかしなー。 はっきり言えば……。 “無理”だぞ、甲子園。
決勝まで残るのも無理」
そんなに難しいか……。
でも、どうしても3年生全員でやりたい。
俺のわがままかもしれないが……。
「お願いしますっ。 全員でミスはカバーします。 最後になるかもしれない大会なんですっ。
――― お願いしますっっ」
誰かがミスをしたら、誰かがカバーすればいい。
俺たちは“一人”じゃない。