ダイヤモンド・ヒーロー
「……」
監督が腕を組んで、黙り込んだ。
俺の思いは、全てぶつけた。
あとは監督がどうするか、だ……。
「相原……」
「…… はい」
「俺は、お前たちに“期待”している。
それに“甲子園”にも進んで欲しいと思っている」
監督がメンバー表をただ見つめて、俺とは一切目を合わさない。
監督だって何年も朝日学園の野球部の監督として何回も予選大会の決勝に当たっている。
なのに……。
いつも“準優勝”で終わる。
監督だって俺たちと同じ様に“甲子園”を夢見ている。
「本気で“このメンバー”で甲子園を目指すか?」
監督の力強い視線が俺を捕える。
「はい、目指します」