ダイヤモンド・ヒーロー
あの時の…… 咲良との最後の約束。
“甲子園のダイヤモンドで投げる湊人を見る”
俺は咲良の夢を叶えるために。
“――― 甲子園 出場”
「相原先輩だけですよ? 鶴に何を書いたかった教えてくれないの……。
でも…… “甲子園”絡みでしょ?」
解りきったように首を傾げて聞いてきた。
俺の願いだって甲子園絡みだけど……。
俺の夢は、咲良の夢でもある。
「相原先輩って……」
「ん? なんだ」
「相原先輩って、どうして“彼女”を作らないんですか?」
「……」
“彼女”か?
野球部は“恋愛禁止”ってわけでも無いし、いくら彼女を作っても構わない。
練習を疎かにしなければ…… って話しだがな。