ダイヤモンド・ヒーロー
「俺は“野球”だけでいーのっ。 それ以外はいらねーから」
そうだ。 俺に“彼女”はいらない。
彼女を作っているヒマがあったら、野球の練習をする。
俺は何のために“朝日学園”に来た?
彼女を作るため?
遊ぶため?
「えーっ、先輩もったいないですよ! 先輩って後輩たちの中でチョー人気何ですよっ!」
人気ねー。
そりゃ、野球で何度か全校集会で生徒の前に立った事がある。
俺の顔や名前が全校生徒に知られているのはわかるが……。
「人気じゃねーよっ」
人気なんていらない。
今…… 俺が欲しいもの。
「俺は、ただ甲子園に出たいだけだ―――」