ダイヤモンド・ヒーロー
増える不安
少し前は、寒さを残した風が体を冷やしてくれたが。
今となっては、その風すら吹かなくなってきた。
夏が近付いてきた証拠―――。
その、風の移り変わりとともに……。 俺の“ココロ”も変わりはじめてきている。
大とキャッチボールしている時。
練習試合をしている時。
自主練をやっている時。
時々…… 俺の頭を過ぎる。
“――― 甲子園に出場出来なかったら”
甲子園への夢は、俺だけじゃない。
部員 全員の夢でもある。
キャプテンの俺がしっかりしないといけないのに、弱気な俺がいる。