ダイヤモンド・ヒーロー
なに弱気になっているんだよっ。
この3年間、誰よりも練習はやってきた。
雨の日だって。 雪が降る日だって。
練習を怠ることは無かった。
ただ“甲子園”の為だけに……。
ダイヤモンドの上に立ちたくて……。
「だーいっ、ちょっと座って、構えてくれー」
「おうっ」
クヨクヨするなっ。
迷うなっ。
「よしっ、来いっっ! 湊人」
俺の前に大がグローブを構えて座った。
目の前に見える、グローブの中に俺はボールを投げればいいんだ。
俺の夢は“甲子園”
怖がるな、迷うなっっ。