ダイヤモンド・ヒーロー
不安に思っているのは、達也だけじゃない。 俺にだって“不安”はある。
「何言ってんだよ、今更。 俺たちは3年間練習してきただろ?
それをこの“予選大会”で見せないでどうするんだ」
さも当たり前のように笑い飛ばす。
達也が不安に思うのはしょうがない。
正直言えば……。 達也より上手い後輩がいるのも確か。
なのにそいつを出さない…… ということは、ある意味。
俺の賭けだと思う。
勝つも負けるも、俺ら次第。
「よーしっ、行くぞ!」
だが、今は予選大会 開会式。
試合の心配は、あとだ。
俺たちは、予選大会の開会式の地に足を下ろした。