ダイヤモンド・ヒーロー
大は最高のやつだ。
だから俺は、お前のミット目掛けてボールを投げられる。
「もしかして……。 “サクラちゃん”との“約束”か?」
「――― ッッ」
大のその一言で、一瞬にして顔が強張るのを感じる。
「…… やっぱりな」
ハハッ。 情けねーな、俺も。
こんな簡単にバレちまうなんて。
「はぁーあっ。 負けたよ」
もう……。 大に隠すのは、無理だよな。
「さっさっと吐いちまえよ。 そうすりゃー、ラクになるぞ」
床に腰を降ろして、項垂れた。