ダイヤモンド・ヒーロー
不安
…… そうだ。
ずっと、だったんだ。
どこと無く、感じていた“不安”
あの日……。
中学の卒業式のあと。
涙を溜めて俺に“別れ”を告げた咲良のあの顔が、今でも忘れられない。
嫌いになれたら、どれ程ラクだっただろうか。
咲良の事は今でも“――― 好き”だ。
この3年間。
自分の為に―――。
咲良の為に―――。
“甲子園”を目指してきた。
誰よりも練習して、備えてきたはずなのに……。
「不安なんだよっっ」