キミの心の声を聞かせて
プロローグ
まだ蒸し暑い9月の汗ばむ文化祭で賑わう体育館のステージ裏。
既に極度の緊張でカラカラになった喉。
その喉を潤す為に飲んでいた水はもう既になくなった空のペットボトルを握りしめた手が小刻みに震えている。
「大丈夫…。大丈夫…」
何十回も呪文のように唱えるけど
緊張は解れるどころか、増すばかりだ。
不安で押し潰されそうなあたしの心。
「智樺、大丈夫。お前ならできるって」
「自信を持て、俺達がついているだろう」
肩を組みながら、口々に「心配するな。上手くいくから」自信を持てとハッパをかける仲間達の声が、次第に緊張を和らげる。
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