キミの心の声を聞かせて

「大丈夫かぁ?お前」

「あ、ありがとう。みんな。助けてくれて」

「「「いいって」」」

見事に声を揃えて言った先輩達に、思わずクスッと笑みがこぼれた。

あたし…幸せものだ…。

泣きそうになる気持ちを誤魔化しながら笑った。

するとヨッシーが、あたしの右膝の怪我を見つけた。

予想以上に派手に擦りむけてズキズキする右膝の傷。


「あちゃあ、まだ血ぃ、出てるなぁ。雄大、お前智樺を保健室まで連れて行け」


「おぉ、じゃあ行こうか、智樺早く乗れ」


そう言うと、雄大先輩はあたしの前にしゃがんだ。


この体制は、もしかしてじゃなくおんぶ。



「いいよ。歩けるから」


こんな学校でおんぶだなんて。また目立ってなにされるか分からないじゃない。


「遠慮するなよ」

早く乗れと言う雄大先輩の前を少し痛む足を引きずりながら通り過ぎた。



「遠慮なんてしてませんし。おんぶなんて絶対にイヤです」


「可愛くないなぁ」


と嘆く雄大先輩。別に。雄大先輩に可愛いなんて…思ってほしくないから!




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