キミの心の声を聞かせて
タオルを頭からスッポリを覆ったまま俯いていたら
「智樺、どうした?疲れたか?」
雄大先輩が、あたしの肩をポンと叩いて聞いてきた。
それだけで、過剰に反応するあたしの心臓。
顔からタオルを外して見上げると「大丈夫か?」心配そうな顔で雄大先輩があたしを見ていた。
「だ、大丈夫だよ。ちょっと疲れただけだから」
ヤダ。どうしよう。雄大先輩の顔がまとも見れないや。
あたしは、雄大先輩から視線をそらして立ち上がり、「か、顔洗ってくる」と部室から出て行った。